自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)
自賠責保険とは
一般に自賠責保険または、強制保険と呼ばれているもので、自動車損害賠償法により、未加入では二輪を含めた自動車・原付を運行することができず、未加入で運転すると、懲役または、罰金さらに免許停止処分になります。
保険金は自動車および原付などの運転をおこなっているときに、他人(歩行者、同乗者、他の車の搭乗者)を負傷、死亡させてしまい(人身事故)、車の保有者または運転者が損害賠償責任を負担した場合、その損害に対して保険金が支払われます。
保険金の支払額には、被害者1名について保険金の支払基準が定められており、それ以上の支払いはありません。
保険金の請求
事故のあとで自賠責保険を請求するときは、まず加入保険会社に届出をします。自賠責保険の請求は、被保険者(加害者)が被害者に支払いを済ませたあとに行う(加害者請求)のが一般的ですが、場合によっては被害者からも請求できます(被害者請求)。自賠責保険の請求は、加害者請求の場合は被害者へ損害を支払ったときから、被害者請求の場合は事故の発生から(死亡の場合は死亡の時から、後遺障害の場合は症状固定から)、いずれも3年で時効となります。このほか、自賠責保険の請求には、内払請求と仮渡金の制度があり、保険金等について納得できない場合は、一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構の弁護士、医師等の紛争処理委員が調停を行う制度があります。
自賠責保険料
保険料は保険会社や共済など、どこの保険会社で加入しても同じ金額となります。
無保険車による事故にあった場合
ひき逃げされたり、無保険車の自動車(二輪を含む)にひかれた被害者を救済するため、政府は自動車損害賠償保障事業を行っています。被害者は、直接政府の保証事業(損害保険会社が窓口)に請求すれば、自賠責保険とほぼ同様の保障を受けることができます。
自賠責保険の解約と記載事項変更
強制契約と呼ばれているとおり、任意に解約することはできず、廃車や重複契約のときなど、ごく限られた場合にのみ解約することができます。自動車を譲渡したり、ナンバープレートや用途・車種を変更したときなどは、すみやかに加入保険会社に連絡して、変更の手続きをしなければなりません。